彼と、同じモノになれるとは思わない。

なるつもりも、ない。

それでも。

彼の、行く道を照らす事くらいは。





† 風ニ散ル華 †





一歩踏み出すごとに、足下に立つ小さな音。生命の奏でる、存在の証。
上げた視線の先、墓標を見下ろすロイの姿。
吹き抜ける風に嬲られた黒髪が、白い頬を叩く。
声を掛けるのも躊躇われる、完成した一枚の絵画のような情景。
自分の居場所は、其処にはないのだと、突き付けられる錯覚。

「全く…本当に、馬鹿だと思わないか?なぁ…ハボック」

墓標の、Mars Hughesの名を見下ろしながらの、言葉。
其れに、応えられる筈もなく。無言で肺の奥まで吸い込んだ煙を、吐き出す。

「本当に…馬鹿な男だよ、お前は」

マーガレットの花束を、手向け。ロイは、踵を返した。

「さぁ、もう行くぞ。そろそろ列車の時間だ」
「…Yes,sir」

微笑すら浮かべて告げられたその言葉に、どんな想いが込められてるかなんて、知らない。きっと、知って貰おうとも思っていないだろう。
さくさくと、背の低い草の上を歩み行くロイを見送り、ハボックは墓標へと歩み寄った。

吹き抜ける、風。
流れる、煙。

真新しい石の其れは、まだ彼の人が逝ってからそう時間が経っていない事を知らせてくる。人々から哀しみから抜け出すには、まだ時間が不十分だという事を。

「馬鹿なのは…お互い様、って事ですかね?ヒューズ准将」

痛みを乗り越えた訳ではあるまいに、常と変わりのない振る舞いのロイは、きっと解っていない。周囲の人間にはそれすらも、痛々しく映る事を。
それでも、傍にいると決めたのは自分だから。

「安心して下さい。アンタの替わりは出来ないですけど、俺はあの人から離れるつもりはありませんから」

捧げる、敬礼。
一陣の、風。
その中に、あの笑顔を、垣間見た気がした。

「進まなきゃいけないって事は、あの人だって解ってますよ」

自分の向けた表情が笑顔だったかどうかは自信がないけれど。
ハボックは、胸ポケットから未開封の煙草を取り出すと、マーガレットの花束の横に並べた。
そうしてもう一度敬礼し、ロイの元へと歩き出した。
決して、振り返る事はなく。

後には静寂と、風に揺れる白い花。


















って言うか、短ッ!!(殴)
何が言いたかったのか理解出来た人は恐らく少ないだろうと言う酷い消化不良な話。
どれだけ言葉を連ねても語り尽くせないと言う事は解り切って居たのにも関わらず書いてしまうこの自分の愚かさが憎い。
しかもハボロイと言うとヒューズに絡んだ話のネタばかり大量発生していて、また別話として書こうとしている馬鹿が此処に(挙手)
ヒューズが亡くなってからの話をどれだけ書けば気が済むんだ此の愚か者。
でも、それだけ衝撃的だったんだ。

Mars Hughes氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。





※後書きは反転にて

斎雅 月 拝



2004.3.31

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