終わらない話をしよう。
とても下らなくて。
救いの見えないただの繰り言。
†一時の喜劇と、永遠の悲劇を†
「狂ってる」
窓の外。
紅く嗤う月は、人の心を惑わす。
「…何が?…それとも、…誰が?」
くつり。
喉の奥、噛み殺された笑声は、低く。
「…何もかも、全てが」
少しの諦めと、少しの憧れを混ぜ。
少年は、紅い月を、見上げる。
「そうだね。…けれど、そうでないかも知れない」
楽しげに。
哀しげに。
紡がれる言葉は、上滑る。
「…違う」
ぽつり。
意味のない、言葉。
「あぁ、屹度ね」
男は、嗤う。
紡がれる、意味のない、言葉。
「狂ってる」
紅い月が、嗤う。
金の瞳が、揺れる。
「…うん」
黒曜の瞳は、閉ざされた。
「俺も、アンタも」
金の瞳は、ひたと、紅い月へ、縫い止められた。
「そうだね。だからこそ、生きるんだろう?」
囁くように。
唄うように。
言霊を、込めて。
男が、告げる。
「…さぁ」
少年は、顔を、隠す。
すれ違う言の葉は、力を失う。
「解らないのかい?」
何が。
何を。
訊ねる声は、吐息。
「解る筈がない」
意味は、隠して。
男は、嗤う。
「解りたくないんだろう」
それとも。
意味など、ないのか。
「さぁ?どうでも良いだけだろ」
解るはずも、なく。
「そうかな」
虚空を滑る言の葉は。
揺れる瞳を縫いつける。
「そうだよ」
男が、薄く、笑う。
「なら、それで良いんじゃないかい?」
伸ばされた手。
「…良いのか」
何を求めているのか。
何を求めたのか。
それすらも解らず。
「違うのかい?」
指先は、空を割き。
落ちる。
「アンタは、それで良いのか」
問いかけには、問いかけを。
「さぁ…でも、そうだね、うん」
嘘も、真実も、いずれは消え行く。
だからこそ。
「何だよ」
告げる事に意味を求め。
告げぬ事に理由を求む。
「俺は、君がいれば良い」
囁きは、呪縛。
「…訳わかんねー事言うな」
逸らされた金の瞳に、映る、色。
弧を描く黒の瞳は、嗤う。
「良いんだよ、解らなくて」
それは、罪。
「…良いのか」
理解を拒む事も。
理解する事すら。
禁忌。
「良いよ。だから、今は」
眠れ、眠れ、愛し子よ。
紅い月は、ただ嗤う。
「…解ったよ」
少年は、顔を、上げ。
その頬に、触れる、冷たい指先。
「そう。…良かった」
嗤うのは、男か、少年か。
「…やっぱ、狂ってる」
重ねられた、掌。
冷たい、指先。
「そうだね。嗚呼、屹度、そうだ」
嗤う。
嗤う。
「狂ってる」
紅い紅い満月が。
ゆうるりと、嗤って。
堕ちた。
意味不明。
友人に、妙にエロいと言われた一作。
何故。
いつか、加筆修正する可能性大。
むしろ、いつの間にか消えている可能性大。
屹度、今の俺の中身はこんな感じ。
後書きは反転にて
斎雅 月 拝
2004.7.11
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