抱く思いは、決して綺麗なモノなんかじゃなくて。

こんなにも強く。こんなにも切実に。

浮かぶのは、俺の名を呼ぶ、笑顔だけ。





花咲く刻に哭する者は





眼を開いた時、見知らぬ天井が広がっているのはなんとも間抜けな事に感じる。

未だハッキリと、全てを教えてはくれないたゆたう思考。
己の置かれた状況を把握するのに、暫しの時間を要した。

白い壁。白い天井。

腕に繋がれた幾本ものチューブ。
一定のリズムを刻み、流し込まれる点滴。


自分を取り巻く、様々な違和感。





嗚呼、彼は、今。

何処に。

嗚呼、自分は、何故。

こんな所に。





起き上がろうと右腕に力を込めた瞬間、躰に走る激痛。
其れは、痛みと言うよりもむしろ、身を焼く灼熱。


「――ッ」


くぐもった呻きを喉の奥、噛み殺す。
深く、息を吐き出す事で襲い来る感覚を霧散させようとするが、それは徒労に終わる。





だが、そんな事よりも、今は。

今は、彼を。





鉛のように重い躰。
のろのろと、激痛を受け流しながら上体を起こす。


「ッく……」


ひきつれた痛みを訴える傷口は熱を持ち、吐き出される呼気も、熱く。

気を抜けば薄れそうになる意識を、必死でたぐり寄せ。

震える腕と、震える脚を叱咤し、ベッドから降り立とうとした、その時。





開かれた扉。

息を飲む気配。

そして其れは、一人ではなく。


「何をして――ッ」


大股で歩み寄って来た人影に、腕を掴まれ。
降りかけていた躰を、ベッドの上に引き戻される。


抗議しようと開いた口は、乾ききり、まともな声を発せる状態ではなく。
干涸らびた口腔内は張り付き、激しく咳き込む。

振動で与えられる痛みは。

燃えるよう。





そして唐突に理解する。












†終焉を臨む者へ声なき讃歌を† ロイ dead
†覚めぬ夢魘へ請罪を†  エドワード dead










2003.12.25 改稿















[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析